38年間、この森の中で生きてきた人間が、
あなたと一緒に歩きます。
20代の頃、スキーへの情熱と若者特有の無謀さを武器に、三重県から群馬県玉原高原へ移り住み、ペンションを始めました。38年が経ちました。
スキーブームの終焉、バブルの崩壊——時代の波に揺さぶられながらも、たくさんのお客様に愛され、この場所で生き続けてきました。それでも、ここを離れなかったのは、この森が好きだったから。そして、ここに来た人が少しずつほぐれていく様子を、何度も見てきたから。
私は今年66歳になります。学生時代からの友人たちも、同じ年代です。
最近、仲の良かった友人が次々に倒れています。若年性認知症で、もう私のことを認識できなくなった友人。重篤な病で余命を告げられた友人。学生の頃、深夜まで夢を語り合った仲間です。
ふたりとも、名の通った大企業に就職しました。そして気づけば、会社の論理の中で生きることに慣れていった。給料のために働く。家族のために我慢する。自分のやりたいことは「いつかやる」と言いながら、そのままになっていった。
科学的な根拠はありません。でも私は、ワクワクするゴールを持てないまま何十年も同じ日々を積み重ねることが、人間の生命力を少しずつ削っていくと信じています。
夢を持つことをやめた人間が、
体まで先に諦めていく。
そう感じることが、増えています。
旧友たちのことを思うたびに、「まだ間に合う人に届けたい」という気持ちが強くなります。定年が見えてきた人も、家族を養いながら夢を押し込めてきた人も、「今じゃない」と言い続けてきた人も——まだ間に合います。
旧友たちは大企業の社員でした。でも同じことは、家業を守ってきた人にも起きています。
親の代から続く商売を守ってきた。家族を養う責任がある。事業を変えたい気持ちはあるが、リスクが怖くて動けない。自分のやりたいことは「いつかやる」と言いながら、何年も経っている——そういう方と話すとき、私は他人事として聞けません。
「守ること」と「夢を生きること」は、反対ではありません。現状の外にゴールを置いた瞬間、同じ仕事がまったく違う意味を持ちはじめる。そのエネルギーの変化が、事業にも家族にも、じわじわと伝わっていく。それを体で知っている人間として、話せることがあると思っています。
数年前、脳科学者・苫米地英人博士の著作と出会い、その後アートシフトコーチングを学びました。
未来が変われば、現在が変わる。そして、過去も変わる。
これは超自然的な話ではありません。「現在」も「過去」も、その人の主観です。未来のゴールが変われば、過去の出来事に対する意味づけが変わる。あの時の失敗が、ある日「必要な経験だった」に変わる。それが、人が前に進む仕組みだと実感しました。
この視点に出会ってから、自分の仕事への向き合い方が変わりました。客室の準備も、ウェブの更新も、「やらなければならない」から「これが未来につながっている」に変わった。同じことをしているのに、体の中から出てくるエネルギーが違う。その体験を、ここに来る方にも渡したいと思っています。
標高1,200mのブナ林の中にいると、日常のリズムが自然に変わります。人は常に意識下で周囲の環境をモニタリングしています。音、光、香り——それらが変わると、本人も気づかないうちに意識の状態が変わっていく。深い森の中では、心の深いところにあるものにアクセスしやすくなります。
ここでの対話は、正しい答えを出す場ではありません。自分の中にすでにある声が、少しずつ言葉になっていく時間です。森での対話の後に室内で向かい合うと、その効果がさらに深まります。一晩泊まることも同じ理由です。日常と違う環境で眠り、朝の森の空気を吸って目覚める——その体験が、変化を自分の中に根付かせてくれます。
「自分にはいろいろなことができる、と実感できるようになった」
「驚いたことに、自分が変化したことで子どもが変わった」
「夫が自主的に家事を手伝ってくれるようになった」
「心の底からやりたいことが、ようやくできた」
「家族で楽しい時間を過ごすことができた」